昔の古い切手がたくさんあってどうしたらいいか…処理に困ることはありませんか?
実は、古い切手は今でも使うことができるんです!ただ、郵便料金が変化しているので、今より額面の金額が少ない場合は組み合わせて現行の金額分を貼ればOKです。またゆうパックなどにも使えますので、古いからといって捨てるのはもったいないです。
でもちょっと待った!
もしかしたら古い切手の中に、プレミアがついたお宝切手が混ざっているかもしれません!とはいえ切手の種類は無数にあるので、どれがお宝切手なのか判断するのは難しいですよね。
今回は価値のある記念切手についてお伝えします。
後半には実際に高値が付いた切手もご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
記念切手とは?
まず始めにそもそも記念切手とは何かについて説明していきます。
切手には「普通切手」と「記念切手」の2種類があります。
普通切手とは、現在郵便局で発売されている切手を指します。現行の切手で、発売期間や枚数に制限なく発行されているものです。数年に一度、デザインや料金が改訂されますが、日本全国どこの郵便局でも同じものが販売されています。
反対に、記念切手とは、国家的行事やイベントを記念して発行される切手です。発売期間や枚数に制限があり、売り切れとなればもう買うことは出来ません。地域限定で発売されることもあります。
また前述した普通切手の中でも、現行でない旧柄の切手や旧料金の切手は記念切手扱いされています。
記念切手の価値
次に記念切手の価値が決まるポイントについてご紹介します。
重要なポイントは3つあります。
- 発行枚数が少ない
- 絵柄が綺麗
- 保存状態がいい
それぞれ詳しく解説していきます!
1:発行枚数が少ない
記念切手の価値が高まるポイントの1つ目は「発行枚数が少ない」です。
記念切手の発行枚数は一律ではなく、それぞれ異なります。もともと発行枚数が少ないものは市場に出回る数も少なくなるため、希少価値が高くなります。
日本で初めて切手が発行されたのは1871年、今から150年以上前です。その後、昭和30年代から「切手ブーム」が始まりました。趣味で切手を集める人が増え、記念切手の発売日には郵便局に長蛇の列ができるほどでした。
その切手ブームに伴って切手の発行枚数が大幅に増えました。つまり、切手ブームより前の切手は相対的に発行枚数が少なく、価値が高くなったのです。言い換えると、昭和30年(1955年)以前のものかが、価値の高いひとつの基準となっています。明治や大正時代に発行された切手は希少価値が高く、それ以降の切手は価値があまり高くないということですね。
また発行枚数に加えて、現存枚数が少ない事も、価値を高める一因です。例えば戦争や災害で焼けてしまい価値が高くなった切手の例として「菊切手」があります。
菊切手は明治時代後期、1899年(明治32年)〜1908年(明治41年)の9年間にわたって発行されました。切手の中央に日本を象徴する「菊花紋章」が描かれています。額面は5厘(1銭の1/2の価値)から10円まであり、全20種類が発行されました。
明治時代の切手としては、比較的長い期間、多くの枚数が発行されていた切手ですが、大正時代の震災などの影響で現存する枚数は少なく、希少価値が高くなっています。
2:絵柄が綺麗
前述したように歴史の長い切手ですが、これまで発行された切手のデザインはたくさんの種類があり、中でも絵柄が美しいものは、欲しい人も多くなりますので価値が高くなります。
例えば、歌川広重が描いた「月に雁」。切手趣味週間シリーズで発行されたこの切手は、その美しいデザインから切手ブームの火付け役となったと言われています。
3:保存状態がいい
価値の高い切手の中には今から100年以上前に発行されたものも少なくありません。それゆえに曲がってしまったり、変色してしまうものも少なくありません。従って保存状態がいいものはより高い価値が付くようになります。
いわゆる切手のストックブック(アルバム)に保管するのがお勧めですが、さらに劣化を防ぐために、切手のヒンジやマウントを利用するとなお良いでしょう。
また小さな箱やタッパー等に保管することも可能ですが、直射日光は避けて保存するのがお勧めです。
実際に高値がついた記念切手は?
では、実際に高値がついた記念切手をご紹介していきます。
- 見返り美人
- 月に雁
- ビードロを吹く娘
- 竜門切手
- 桜切手
- 皇室記念切手
- 明治銀婚切手
- オリンピック切手
見返り美人
「見返り美人」は、1948年に発行された切手趣味週間シリーズのひとつで、江戸時代に活躍した浮世絵師・菱川師宣の作品「見返り美人図」が描かれています。これまでに3度に渡って発行されました。(1948年、1991年、1996年) 中でも初回発行のものは150万枚しか発行されなかったので、希少価値が高くなっています。
月に雁(かり)
「月に雁」は、1949年に発行された切手趣味週間シリーズのひとつで、東海道五十三次で知られる江戸時代後期の浮世絵師、歌川広重の作品「月に雁」が描かれています。月を背景に3羽の雁が水面に向かって急降下しているその姿は芸術品としての評価も高く、海外の切手コレクターからも注目されています。
ビードロを吹く娘
「ビードロを吹く娘」は、切手趣味週間シリーズのひとつで、江戸時代の町娘が描かれています。町娘が着ている着物は市松模様の柄で、当時は大流行したと言われています。また町娘がくわえているのが「ビードロ」ですが、別名「ポッピン(ポッペン)」と呼ぶコレクターもいます。
竜文切手(りゅうもんきって)
「竜文切手」は、1871年に日本で初めて発売された郵便切手です。額面の金額が「文」で、竜がデザインされていることからこの名前がつけられました。発行当時はまだ印刷技術が発達していなかったため、手彫りの版を用いて印刷されていました。
桜切手
「桜切手」は、1872年に発行された普通切手です。数種類の桜切手が発行されており、色や額面、素材など様々ですが、表面の四隅に桜、中央に菊花紋章が描かれています。発行された桜切手ごとに発行枚数が異なるため、発行枚数が少ない桜切手には高い価値が付くことがあります。
皇室記念切手
「皇室記念切手」は、天皇陛下に関わる慶事を記念して発行された記念切手です。1894年から発行され、図柄や種類もたくさんあります。特に明治と大正時代に発行された切手は発行枚数が少ないため、希少価値が高くなっています。
例:「明治天皇銀婚記念切手」「東宮御婚儀祝典記念切手」「大正御婚儀記念切手」
オリンピック切手
「オリンピック切手」は、日本でオリンピックが開催されるたびに発行されている切手です。海外の記念切手もコレクターの間では人気です。
中国の記念切手
実は日本の切手の他、中国の記念切手で価値が高いものもあります。
中国では、中華人民共和国が建国された1949年以後、多くの切手が発行され、「新中国切手」とも呼ばれています。日本の切手ブームの時に、中国切手にも注目が集まり、中でも1950年代~1980年代に発行された切手は価値が高いものとされています。
以下、人気のある中国切手の一例です。
- 大パンダ
- 赤猿
- 毛沢東
- 牡丹シリーズ
大パンダ
「大パンダ」切手は、中国の画家・呉作人(ごさくじん)が水墨で描いたジャイアントパンダがモチーフになっています。1963年に発行された「一次」と1973年に発行された「二次」に分かれ、一次と二次合わせて9種類あります。
赤猿
「赤猿」切手は、1980年に中国の年賀切手として発行されました。1980年の干支は猿だったんです。当時中国は文化革命の騒乱が続いており切手の収集は政府に禁止されていました。その為手に入れるのは難しく、価値が高くなっています。
毛沢東
「毛沢東」切手は、中国建国の父である毛沢東が描かれており、全部で11種類あります。1967〜1982年の文化大革命時代に発行され、当時の施策の1つとして切手の収集が禁じられていたため、現存する物は価値が高くなります。
牡丹シリーズ
「牡丹シリーズ」切手は、「牡丹小型シート2圓」と「牡丹シリーズ15種完」の2種類あります。どちらも1964年に発行され、とくに15種シリーズが保存状態お良くすべて揃っているものは価値が高くなります。
まとめ
いかがでしたか?
これまでたくさんの種類が発行されてきた記念切手。あなたのお家に眠っている切手に価値があるかもしれません!ぜひ一度確認してみてくださいね。
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